2021年あたりから、私はこのブログで外国語を「勉強」するのではなく、「実践」することを強調するようになりました。というのも、日常の中でちびちび使っているけど大して勉強していない外国語が自分でも知らぬ間に伸びていくのに対して、一生懸命勉強しただけの言語は少し時間が経っただけでまるで何もしなかったかのように脳みそからきれいさっぱり消えてなくなってしまうことに気づいたからです。
とはいえ、「実践しましょう」と一言で言うのは容易いですが、「そんなこと言われても何していいのか分からん」という方も多いと思いますので、本記事では私が普段どんな活動に語学を使っているのかを参考までに紹介していこうと思います。
なお、私の英語力を客観的に測った指標としては2016年頃にとった英検準一級とTOEIC790点がありますが、いずれも5年以上前のものである上にそこまで高レベルというわけでもありません。最近のものであれば、ネットで落として自宅で解いた大学入学共通テストの点数がリーディング98点、リスニング93点で合計191点(200点中)だったことくらいでしょうか。英語以外の言語では何一つ資格の類は持っていません。そんなレベルでも結構色々できるのだということを実感してもらえたらいいなと思います。
一気に全てを書き切るのは難しいので、この記事は内容を少しずつ加筆していく形で公開しようと思います。最終更新日はタイトルに付けておくので、興味がある方はときどきチェックしてみてください。
では始まり始まり。
プログラミング学習
2020年にedXでハーバード大学のcs50xのコースを履修し始めたのを皮切りに、それから3年間で4つのcs50コース(コンピューターサイエンスの基礎、Python、Web制作、AIの基礎)を修了しました。
本記事で紹介しているので当たり前ですが、cs50のコースは全て英語で履修します。
履修前の私のプログラミング知識といえば、高校生の時(20年くらい前)に日本語で学習して覚えたHTMLと、大学で半年間履修(15年以上前)して全てをきれいさっぱり忘れたC言語くらいのものでしたので、ほぼ何も知らない状態で受けたと言っても過言ではありません。大学生の頃にWeb制作関連のものを中心に大量のプログラミング本を買ったりしましたが、正直意味不明で何も分からずすぐ投げてました。
そんな状態で受けたので、最初の基礎コースを終えるのに1年(本当は3カ月で終わる仕様になっている)かかりました。が、その後も四苦八苦しつつ、運営スタッフの一人が全cs50コース中最難関と言っていたAIの基礎コースまで無事修了と相成りました。本当なら4つ合わせて1年くらいで終わるはずのコースに3年近くかけてしまいましたが、これは結構な達成感でした。
おかげさまで、C言語、Python、Javascript、CSS、Djangoなどの基礎的なものは一通り英語だけで学び、今はよちよち歩きながら自分の作業に必要なツールをPythonで自作したり(今まで手動で時間かけてやってた作業が一瞬で終わるようにできたりするんでめちゃくちゃ感動します)、自前で簡単なAIを作ってみたり、いくつかWebアプリを作ってみたり色々実験してます。C言語はおそらく二度と使わないので絶賛放置中で多分もう忘れてますが。
ちなみにここで紹介したcs50コースは日本語訳されたものがあるらしいです。しかし、このブログに来ているような語学意識の高いあなたがプログラミング学習に興味があるのであれば、まずは英語だけで取り組んでみることをお勧めします。それでもどうしても英語力足りなくて無理というのであれば日本語版を使ってもいいかもしれませんが、どのみちプログラミング言語自体が英語ベースで書かれている上、プログラミングに必須のGithub, stackoverflow、各ライブラリの説明書(一部日本語訳がある場合もある)などは英語です。検索して出てくる情報量も圧倒的に英語のものが多いです。教材にしても、上述したcs50以外にもW3Schoolsなど役立つものが英語圏にはたくさんあります。
それで、最近ヒマな時に本屋でプログラミングの本をあれこれ適当に立ち読みしたりするのですが、英語で読んでたらすげぇフツーの文や単語で済んでるはずのところが、日本語の本では謎のカタカナ用語が乱立する怪文書と化しているので「ああ、ワイが大学生の頃プログラミングが全然分かんなかった理由はコレか・・・」と思いました。フツーに英語でやった方が簡単でした。その上、cs50とか他のネット情報使えばタダで学べる内容が書かれた本に3千円とか(その上、特段質が高いわけでもない)払うのはキツイです。
あと、日本語入れてコード書くといちいちキーボードを半角全角と切り替えまくらないといけなくなる上に漢字の誤変換とかどうでもいいところにリソース持っていかれるので、やっぱり全部英語でやった方が楽です。日本語を入れるのは日本人向けに何か作るときだけでいいでしょう。少なくともプログラミングの学習段階では必要ありません。
a = input("Enter your name: ")
どう見ても英語だけの方が速いです。本当にありがとうございました。
a = input("名前を入力してください。: ")
また、cs50のコースの途中であちこちのSNSでいろんな人に助けられましたが、コミュニケーションも全て英語です。見知らぬ人とのコミュニケーションに関しても英語の方が圧倒的に気楽です。日本語でのコミュニケーションだった場合、敬語を使ったりあれが失礼これが失礼とか考えるだけでダルくて質問どころではないので多分一人でフツーに挫折して終わってました。
SNSの話題が出たのでさらに言っておくと、IT関係のインフルエンサーも質量共に英語圏と日本語圏では全く比較になりません。
さらに言うと、(私はまだプログラミングで仕事をしたことがないのですが)英語圏の方が仕事が大量にあります。オンラインでもできるので日本語圏だけで仕事を探すより遥かに選択肢が増えることは確実であり、さらに外貨も稼げます。
というわけで、仕事にする場合はもちろん、趣味でやりたいだけでもプログラミングは(多少無理してでも)英語で学習することをお勧めします。外国語というのは試験勉強を一生懸命するよりも、こういうことに使った方が定着するものです。少なくとも、このブログに来て本記事をここまで読んでいるあなたは英語を身に着けたいと思っている確率がかなり高いですから(え、もう身についている?じゃぁ何も迷わずプログラミングは英語でやってください😂)。
海外企業との仕事に関する全てのやりとり
私はここ10年くらい自営業で海外のエージェント相手にドイツ語→日本語翻訳の仕事やってるんですが、当たり前ですが仕事のあらゆる手続きややり取りは英語で行います。翻訳の仕事自体はドイツ語と日本語なのですが。
具体的にはコミュニケーションはほぼ全てメール(スカイプチャットの時もある)で、問い合わせから仕事の受注、契約書の締結から納品、請求書発行から払い込みの遅れてる売掛金の督促まで全部英語です。
一見大変そうに見えますが、毎回似たようなこと読み書きするので慣れたら大したことありません。「英文ビジネスメールの書き方」みたいな本も世の中には溢れかえっていますが、私はほぼ使ったことないです。昔その手の本を買いましたが、いちいち読むのがだるくて結局処分してしまいました。
ちなみに私は日本で自営業した経験はなく、いきなり海外を相手に突っ込んでしまいました。我ながら無謀だったと今でも思うのですが、開業当初の私の英語力は数年前に英検2級取ったとか、TOEICを受けたけど試験時間の半分を昼寝に費やしたら420点だったとか、ネイティブ向けの洋書を読みまくるも毎回内容が2割くらいしか分からなくて100ページくらい気合で読んだところで力尽きて飽きるとかそんなレベルで、翻訳会社で1年くらい英語使ったバイトをした以外ビジネス英語の経験はありませんでした。しかし幸いなことに、限られた業務内容に関して英語でやり取りするのはそんなに難しくありませんでした。とはいえ、最初の方は英文履歴書書くのに四苦八苦したりで全然苦労しなかったかと言われればそんなことは全くありませんでしたが。
時々インドとかから家に電話かかってくることもあり、最初は"I can't speak English!! Please send me an email!!"とか言ってたんですが、そのうち慣れて電話も特に問題なくなりました。
あと、開業してから数年の間はアフリカの大富豪夫人を名乗る人物から「オマエはうちの金持ち旦那の遺産相続人に指定されたから個人情報を教えろ」とかいう訳の分からないスパムメールが時々届くようになり、今も笑いのネタとして大いに役立っています😂 それらのメールはとっくのとうにスパムメールフォルダの中で消えてしまいましたが、今思えばネタ画像としてスクリーンショットを撮っておけばよかった。
読書
私が洋書をまともに読めるようになったのはかなり最近のことで、学習者用とか子供用とかではないネイティブ向けの普通の本を初めて読み切ったのは2019年のことでした。
初めて読み切ったのはYuval Noah Harariの"Sapiens"(邦題『サピエンス全史』)だったのですが、これを読み切るのには1年弱かかりました。
その後、話題のFactfulnessも読了するなどしたのですが、力尽きてその後英語の読書は停滞。アメリカのKindleで個人出版されてた薄いKindle本を何冊か読んだ程度でした。
しかし、2022年の9月末あたりに突如「年内に10冊の洋書を読み切る」と決断し、Yuval Noah Harariの三部作とか(前述のSapiensの他に"Home Deus"『ホモ・デウス』と "21 Lessons for the 21st Century"『21 Lessons: 21世紀の人類のための21の思考』があります)、10年前にわけわからずに投げたFreakonomics(邦題『ヤバい経済学』)をもう一度買って読むなどして、めでたく2022年内に10冊の洋書を読み切りました。上で上げた例のように邦訳版が出てる本も何冊かありましたが、私は現在までそれらの邦訳を読んだことはないです。
2023年に入ってからはJared Diamondの"Guns, germs, and steel"(邦題『銃、病原菌、鉄』)を読み(序盤に穀物とか地形とかに関連する見知らぬ単語が大量に出てきて読むのが普段以上に遅くなりました)、今(2023年6月)は10年くらい前にアメリカで話題になってた映画"The Hunger Games"の原作を読んでいます。
2023年7月4日追記:
"The Hunger Games"、読み終わったんですが結構面白かったのでレンタルDVDで映画も見て今は小説の続編を読み始めました。
ニュースチェック
これはタイトル通りなんですが、ニュースチェックはここ2年くらいずっと外国語でやっており、日本語のニュースは一切見ていません。日常的に見ているのは英国のBBCニュースとベトナムのVNExpressですが、The New York Timesも初年のみ20ドル(去年9月あたりのレートで確か2900円くらい、月額じゃなくで年額です)で購読できたので購読しています。2年目以降は年額が60ドルになるので、今年の9月あたりで購読は止める予定ですが。ちなみに、NYTを購読するときに日本の大手新聞の購読はいくらくらいするのか調べたところ、一カ月4000円とかする上に何故か紙の新聞とセットじゃないと購読できないとかいう意味不明な仕様が多くて謎でした。
基本はこの三紙を読んでいますが、米CNNニュース、韓国のKBSニュース、ドイツのDeutsche Welle、フランスのFrance24、カタールのAl Jazeera, サウジのAl Arabiya等も時々見ます。後は必要に応じてインド、パキスタン、ロシア、中国、シンガポール等のニュースメディアも時折参照しますが、さすがに多言語過ぎて私のキャパシティーを盛大に超えてしまうので基本は最初に挙げた三紙のみ読むようにしています。
英語のニュースは既に慣れてしまって大体はテキトーにつらつら読む感じですが、がっつり読みたい記事は印刷してラインマーカー入れたり要約を作ったりしながら何回も読んでます。頻出単語はずっと読んでれば覚えますし、大抵の単語は文脈から意味を類推できるので、英英辞書を引く頻度も実はそんなに高くありません。ベトナム語や韓国語のニュースはまだまだ辞書を引きながらじゃないと厳しいですが、ゴリ押しして慣れれば段々読めるようになるというのは何語でも変わりません。試験用の単語帳の類は別に要らないと個人的には思います。
SNSなどでのコミュニケーション
以前は日本語でもSNSをやっていたのですが、2021年にTwitter、2022年にnoteのアカウントを相次いで削除してもう日本語でやっているSNSは何も残っていません。(noteのアカウントは唐突に消してしまったので、最後に別れの挨拶記事みたいなのを書いてから消せば良かったと割と後悔していたりするのですが。)
代わりに英語とかベトナム語とかドイツ語とかポルトガル語とか中国語とかであれやこれやSNSをやっています。とはいえ、大部分が英語です。Twitterには謎にナイジェリア人の友人が多く、Discordで繋がってる友人はブラジル人率が異常に高く、Facebookの友人はイギリス人が一人いる他は全員アジア人(そのうちほとんどはベトナム人)です。
ここまでやると最早外国語は勉強するものではなく、ひたすら使い倒すものになります。よく使う表現は何もしなくても覚えます。
オンラインでのコミュニケーションを主体とする場合、どうしても文字でのやり取りが多くなりがちで会話能力が伸びにくいという弱点があるのですが、最近はDiscordでブラジル人の友人と英語で音声通話をするなどしてちょっとだけ会話もしています。
実は私、今から12年くらい前(2011年)あたりに当時メル友だったドイツ人女性とスカイプをしたところ緊張で頭が真っ白になって(だってドイツ語書くのは慣れてたけど話すのはその時が初めてだったんだもの!)最初に"Hallo(注:ドイツ語)"と言った以外一言も話せず詰み、その後その方とは一切やり取りがなくなるという中々トラウマ感溢れる体験をした影響で音声通話に地獄の如き抵抗感を持っていました。最近ブラジル人の友人と話す中でようやくその抵抗感を解毒できつつあります。まぁそもそも、私日本語ですら音声通話は無理なのですが(大学生の頃とかにネトゲで知り合った日本人とスカイプ通話とかやってみたけどほぼ話せなかったし、今でも電話とかはかなりしんどいです)。
Youtubeや映像作品の視聴
Youtubeはずいぶん前から日本語の動画を片っ端から非表示にして完全外国語環境を整えております。といっても一括で日本語非表示にできるわけではなく、トップページに現れた日本語動画を片っ端から"Don't recommend channel"に設定して出てこなくなるまで続けただけなのですが。プログラミングの解説動画、外国語学習の動画、KPOP、洋画、国際情勢に関するニュースなどをメインに見ています。
あと、今はもう解約してしまったのですが、Netflixでも韓国ドラマ、洋画、ベトナム映画等を見ていました。日本語字幕はつけたりつけなかったり。最近はレンタルDVDで洋画を字幕なし、または英語字幕付きで見ることが多いです。なんでわざわざレンタルDVDにしてるかというと、映像作品を大量に見る時間がない状況ではNetflixよりレンタルDVDの方が安いからです。(一カ月に洋画を1~3本くらいしか見ない、とかいう状態で月額1000円前後払いたくないので・・)
あと、一時期韓国ドラマを狂ったように見ておりました。メチャクチャ面白いんだもの。
世界規模のイベントに参加
サブタイトルがえらく仰々しいのですが、実は数カ月前に1つ参加しただけです😂・・・
プログラミング学習のところで挙げたcs50にハーバード大学が主催するパズル大会(CS50x Puzzle Day 2023)があったので、チームメイトを探して参加してみました。音声通話使いまくりだったので会話に慣れていない私はビビりまくりだったのですが、結果としては割と何とかなった上に思ったより活躍できたので参加してよかったです😂
最初から複数人通話で「うげー、氏ぬんゴ、しょうもないこと言ってアホウだと思われそうンゴ」とか思ってたのですが、他の人のやり取りを聞いていたら割とみんな平気でしょうもないことをバンバン言っていたので途中からは私も何も気にせずしょうもないことを言うようになりました。
一見「これ言ってもしょうがないだろう」みたいなことでも、発言してみると意外と問題解決に繋がったりすることが結構あって「とりあえず言ってみる」のは結構大事だなと思いました。聞いてるだけだとペラペラに聞こえた非ネイティブの英語が、会話でこっちも話してみると実は一方的に聞いてた時ほど相手がペラペラじゃないことに気づいたりして中々興味深い発見がありました。
音声通話に対するアレルギーもこのイベントで結構緩和されたので、音声通話系のイベント参加は今後も増やしていきたいなと思ってます。
個人的にはハッカソンに興味あるんですが、アレはどれくらいプログラミングスキルあったら参加していいんでしょうか(震え
ゲーム
一昔前にOriginで海外のゲームをやっていました。日本語対応していないものを選んでやっていたので、当然全て英語とかその他の外国語です。オンラインゲームとかも英語とか中国語とかでできるものがたくさんあります。とはいえ、私はもうゲームはやらないことにしたので最近ではこの項目は当てはまりません。
新しい外国語の学習
これは大半が英語経由です。新しい外国語を学習する際、まず英語で基礎教材を探しています。最近ではChatGPTに質問すれば外国語のこともなんでも答えてくれるので、オンライン記事などから素材を探してきてそれをもとにChatGPTに教材を作ってもらって自給自足しています。
ポルトガル語学習にはスペイン語、中国語学習にはベトナム語など、近縁の言語を間に挟んで学習することで効率を上げることもできます。
ちなみに、これは外国語の使用例にはならないのですが、韓国語、中国語、ベトナム語などの漢字語圏の言語を学習する場合は英語じゃなくて日本語使った方がいいです。ヨーロッパ言語は英語で学んだ方が簡単です。
よほどのマイナー言語でもなければ発音などを英語で解説した動画もYoutubeに転がってます。
また、英語が一番威力を発揮するのは外国語のネイティブを探すときです。学習言語のネイティブ外国人と知り合うには英語を経由するのが一番速いです。私は過去にタイ語をやってた時にはTwitterで知り合ったタイ人にタイ語教わったり、フランス語やってた時は英語で知り合ったフランス人相手のチャットにフランス語を混ぜてみたりして実践機会を作ってました。
海外旅行に行くときは行き先の国・都市に住んでいる人とネットで事前に知り合っておき、現地に行ったときに会って話したりとかもしました。第二言語の実践機会を得るためには、英語が極めて有用なツールとなります。
ネットサーフィン(Google検索、Reddit閲覧など)
後日更新予定です。