今回は語学学習サイトやアプリ、SNSなどを通じて学習言語のネイティブに直接質問や添削依頼をすることについて考察してみたいと思います。
語学学習アプリやSNSのデメリット
インターネット経由でネイティブに直接学習言語に関する質問や添削の依頼をするという方法、いいことづくめに見えるんですが実は結構デメリットや不便な点もあります。メリットについては他のブログ等でも散々語られていますし、皆さんも色々思い浮かぶと思いますので、まずはデメリットから確認することにします。
デメリット① 量が処理できない
まず真っ先に浮上するのがこの問題です。語学学習アプリやSNSというのは基本無料で、お互いの母語を学習している外国人同士で添削をし合う(例えば、英語を勉強している日本人と日本語を勉強しているアメリカ人がお互いの英語と日本語を添削し合うなど)事がコンセプトになっていることが多いです。タダでネイティブの添削が受けられるので一見美味しいように見えるのですが、ここにまず一つ落とし穴があります。
というのも、無料ということは誰にも添削義務がないということで、添削されずに放置されたままになる投稿も多々あります。どういった投稿がそうなりやすいかというとズバリ長い投稿です。一度やってみると分かりますが、短い文章をちょいちょいっと修正するのと違って長文の添削というのはかなり骨が折れます。スピーチ原稿や論文などの長文を投稿して添削を求めている人をしばしば見かけますが、メチャクチャ長い上に内容が高度だったりすると結構な確率で放置されます。
短文に分けて短い記事を大量に投稿するという方法もなくはありませんが、バラバラにすることで文脈が通じなくなったり、大量に投稿することによりフレンドになってる人のタイムラインを埋め尽くしてしまったり、最初の方で投稿した文章が埋もれてしまってやはり添削されないまま残ったりと、とてもじゃありませんが有効な解決策とは言えません。
そんなわけで、大量の文章を確実に添削してもらおうと思ったらお金を出してでもネイティブ教師を雇った方が確実です。
デメリット② 添削の質が保証されていない
これらの語学学習アプリやSNSを使用するデメリットの二つ目として、そもそも添削する人の言語能力が保証されていないという問題があります。このようなSNSで外国人の日本語投稿についている日本人の添削を見ていると、別に修正する必要のないところまで修正していたり、修正内容が間違っていたりとその質はピンキリで完全に博打です。添削が複数つけば数が多いものを選んで比較的正しいものの見当をつけたりもできるのですが、添削してくれた人が一人しかいなかったり、悪意をもって原文を改竄してくる人に添削された場合などにはお手上げになります。
もちろん、添削された内容をグーグル検索で調べたりするなどの補助方法はありますが、量も捌けず質も微妙、最後はグーグル検索で確認となると、最初からグーグル検索した方が早いということになってしまうわけです。
デメリットを考慮しつつSNSなどを活かすには?
さて、逆に考えるとこれら2点のデメリットを克服しつつ、メリットを活かすのが一番有効な使用方法ということになります。
つまり、ネイティブに質問や添削依頼をする文を少量に絞り、彼らの添削能力にそこまで重点を置かずにこれらのSNSやアプリを有効活用するのです。
具体的には教科書や辞書、対訳本などをベースに自分で学習していく中で突き当たった疑問点などを少しずつ質問して答えをもらいます。そしてネイティブとの交流をメインに据えて既に自分が学んだ文型や単語を繰り返し使って実践していく場として利用する方が訳に立つと思います。覚えた事がネイティブ相手に通じると嬉しくてモチベーション上がりますし、オンラインでネイティブの友達もできます。
他の学習方法との組み合わせ
当ブログでは現時点で「秋山式外国語学習法」と「シュリーマン式外国語学習法」の二つの外国語学習法を紹介しています。今回の記事で紹介した、アプリやSNSを使って実践経験を積み上げていくという方法は「秋山式」と相性が大変良いです。(というより、そもそも「秋山式」は語学学習SNSの使用を前提としたものです。)
大量の作文添削が必要となる「シュリーマン式」で学習する場合は大量の作文添削が必要となるため、お金を払って教師を雇って、これらのSNS等はその補助と考えた方が良いかもしれません。
まとめ
そんなわけで、語学学習SNS等をやや批判的な方向から見てきました。ただ、私もこれらのSNSやアプリにはかなりお世話になっています。Lang-8やHellotalk、Tandemなどを絶賛している他ブログなどは既にたくさんあるので今回はあえて逆から書いてみました。私自身はこれらのSNS等は自分が既に学習したことのアウトプットにあて、友達を作る事の方に重点を置いて使っています。添削によるインプットは上述したデメリットもあってそこまで重視していません。
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