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済東 鉄腸さんのルーマニア語学習に学ぶ、実践主体の語学学習法

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「千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話」(以下千葉ルー)という本をご存知でしょうか。著者は済東鉄腸(少し前まで済藤鉄腸さんだったそうです)さんという方で、その内容は・・・・めちゃくちゃ長いタイトルそのままでございます😂 つまり、ルーマニア語学習について言及されている本なんだよ! な、なんだってー!

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済東 鉄腸さんとは

著者の済東 鉄腸さんについて簡単に説明しておくと、引きこもりの映画マニアの方で(書籍では「引きこもりの映画狂」を自称されておられます)、日本未公開の海外映画をあれやこれや見ている間にとあるルーマニア映画に衝撃を受け、それをきっかけにルーマニア語の学習を始めてから紆余曲折を経てルーマニア語圏で作家デビューをしたというお方です。今回はそんな彼の著書から語学学習のコツを抽出していこうと思います。

(この本は200ページほどありますが、具体的な学習方法について言及されている部分は最初の60ページくらいで、残りのページも文学や映画を中心とした実に濃いコンテンツになっています。私は文化や芸術といった分野とは縁遠いのですが、それでも1冊丸ごとかなり面白かったので、芸術方面が好きな方が読めばもっと楽しめるかと思います。)

ルーマニア語学習前の済東さんのバックグラウンド

著書には済東さんが高校生や大学生の頃、つまり大学を出てから引きこもりになってルーマニア語を始める前の話も出てくるのですが、前提条件としてこの部分もかなり重要なので、まずはここから紹介していこうと思います。

まず、高校英語に関しては「全然ダメだった」そうです。その一方で、とある漫画の影響でイタリア語の勉強を始めたとのこと。おこづかいでイタリア語のテキストを買ったそうで、某ホラーゲームの影響でスペイン語を始めたり、中学生の頃に「こんなうっすい中学生用の辞書ではゲームの台詞が解読できねぇ」とか言いながらお年玉で大人用のでっかい和英辞典を買ったりしていた私としては大変親近感が沸きます。

大学に入った後はイタリア語の知識を生かしてスペイン語の単位をとっていた模様。

英語・スペイン語ともに「学校で学ばされる」ことに強い抵抗があり、強制される勉強には全く身が入らない。これは私も分かります。私の場合、むしろ大学出た後の方が遥かに自発的な学習をしていて、語学もその一つです。「能動的に学ぶ」というのは非常に重要なことであり、私がTOEICとか英語の資格試験の勉強をお勧めしないのもそのへんに理由があります。

大学では特にすることもなかったので授業の後に視聴覚室で映画を見まくっていたら、映画DVDに英語字幕がついているのに気づき、気が向いた時は英語字幕で映画を見ていたそうです。塾で強制的に刷り込まれてトラウマになっていた英語の知識がこの時役に立ち、結局毎日のように英語字幕で見ているうちに英語が自然と分かるようになり、後に日本未公開映画を見るのに(当然その中に件のルーマニア映画も含まれる)繋がったということで、人生何が役に立つか分からないものです。

なお、これだけ聞くと学校英語が役に立つかのように錯覚してしまいますが、私が思うに済東さんはトラウマになるほど学校(塾)で英語をブチ込まれなくても映画だけでフツーに英語を理解できるようになったと思います。というのも、私自身そこまで勉強せずとも似たような方法で韓国語がかなり分かるようになったからです(私の場合、韓国語音声日本語字幕でしたが)。詳細は↓

最近ではこれを発展させてベトナム語やポルトガル語の映画などを英語字幕で見たりして日本語はほぼ使っていません。韓国語のコンテンツは何も字幕つけずに楽しめるようになりました。100%わかるわけではないですが、ある程度楽しむには十分な理解といったところです。

そんなわけで、ちょっと脱線しましたが大学を出て引きこもりになった時点で済東さんは映画を見るのに十分な英語力を身に着け、さらにイタリア語の基礎知識もあったことになります。もちろん、両言語ともに後のルーマニア語学習に活きてきます。

済東 鉄腸さんのルーマニア語学習法(他の言語にも汎用性あり)

さて、ここからいよいよ済東さんのルーマニア語学習について見ていきます。

ルーマニア語学習において、済東さんが述べていた前提条件は以下の通り。

・語学学習法をある程度分かっていた
・英語で情報を得られた
・映画のおかげでモチベーションが高かった

英語に関しては、後ほど紹介するオンライン辞書の使用などの他、ルーマニア人とのコミュニケーションにも非常に使い勝手が良いとのことで、千葉ルーには「不可欠」と書かれています。私もポルトガル語やフランス語など学ぶ際、話し相手を英語経由で見つけたのでこれには納得です。相手がベトナム人でも中国人でも英語が出来る人の方が日本語ができる人より遥かに多いため、何語を学ぶのであれ、英語が出来た方が入口が広くなります。

また、ルーマニア語については、

・ほとんど誰も知らない
・テキストがほとんどない
・大学でも専門的に学べるところはない

という条件だったそうです。

教材について

で、その数少ないルーマニア語テキストとして「ゼロから話せるルーマニア語」、「ニューエクスプレスプラスルーマニア語」、「ルーマニア語の入門」が紹介されているのですが、私が今Amazonで探したところ、新品がフツーに買えそうなのは「ニューエクスプレス」だけで、「入門」は中古しかなく(その上値段が4000円とか5000円とかめちゃくちゃ高い)、「ゼロから話せる」は「一時的に在庫切れ; 入荷時期は未定です。」とか絶版フラグみたいな表示がされていて、「なるほどこれはテキストがほとんどないな!」と納得せざるを得ません。他にもルーマニア語の本は多少ヒットしましたが、本格的な学習に使えそうなものは皆無といっていい感じでした。

諸々考えると、現在新品で売られている日本語のテキストでルーマニア語の勉強をしようと思ったら、「ニューエクスプレスプラスルーマニア語」と「ニューエクスプレスルーマニア語単語集」を組み合わせて使うくらいしかできそうなことがありません。

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ちなみに、これは完全な余談なのですが、私も大分前にルーマニア語を勉強していた時期がありまして、その頃は「CDエクスプレスルーマニア語」を使っていました。今となっては敬称2人称が「Dumneavoastra」とかいう異常に長い単語だったとか「子供」という単語を複数形にして属格語尾かなんかつけたら「copiii」とかいう形になって「すげぇ! iが3つも並んでる単語初めて見た!」とかよく分からない理由で興奮したとか、当時スペイン語でもドイツ語でも教材の最後の方に出てきて全然意味が分からなかった接続法が第5課で早々と出てきて詰んだとかそんなことしか覚えていません。

しかしながら、あれから15年くらい経ったところでこんな形でルーマニア語と再会するとは予想もしていませんでした。人生何があるか分からないものです。

それから、語学学習に欠かせないものとしては辞書があります。

ルーマニア語の辞書としては↓があるようです。デデーン。

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というわけで、高すぎて手が出ないため、オンラインの辞書を使うことになります。本文中では以下のサイトとDeepL翻訳が紹介されていました。

https://dict.com/romanian-english

千葉ルー本文中では「dict.comの日本語-ルーマニア語辞書」について言及があったのですが、私が調べた限りでは日本語に対応したものはありませんでした。dictの仕様が数年前と変わっているような気がするのでもしかしたら日本語版は廃止になったのかもしれません。このリンクは「ルーマニア語-英語」のものです。

https://context.reverso.net/translation/romanian-english/

Reverso Context。済東さんはルーマニア語の用例辞典として使っているそうです。私はフランス語やロシア語を学習していた時期に動詞の活用を調べるのに使っていました。結構色々できます。

https://m.dex.ro/

オンライン最大のルーマニア語辞書(というかデータベース)だそうです。私が唯一覚えていた単語の「copii」を入れて見たところ、検索結果は全てルーマニア語で出てきましたので、「ルーマニア語-ルーマニア語」辞典のようです。上級者向けと思われます。

ルーマニア語はヨーロッパ言語の1つであるため、英語を経由したオンライン辞書がそこそこ使い勝手が良いようです。ちなみに、私の(英語除く)メイン言語はベトナム語と韓国語なのですが、これらは両方漢字文化圏のアジア系言語ということで英語を間に挟むより日本語で直接接した方が速いです。

私が探した限りでは、ベトナム語辞書はオンラインですらいい感じのものがほぼないので3万円のものを買うしかありません。

↑の文で思い切りネタバレしてる

韓国語の辞書はNaver日韓辞書で充分です。

https://ja.dict.naver.com/

ルーマニア語実践編

上記のテキストに関して、済東さんが「ニューエクスプレス」にシャーペンで夥しい書き込みをし、「入門」で小説を書けるほどの知識を身に着けたことが巻末資料に記されています。

私が思うに、ここは多くの日本人英語学習者がいつまでも留まりがちな地点です。日本には英語学習書が異常な量あり、どれだけこなしても次々と教材が手に入ります。いつまでも試験の点数をあげようと血道をあげている人も珍しくありません。基礎的な知識を序盤に仕入れるのはもちろん重要ですが、最終的にそこで学んだことをどれだけ実践に落とし込めるかという点がさらに重要です。

千葉ルーの本文中にも以下のような記述があります。

言語をマスターするには勉強以外にも、日常のなかでその言語に触れる機会を作っていくことが大切だ。

「千葉からほとんど出ない引きこもりの俺がルーマニア語の小説家になった話」37ページ

日常に言葉が根づかなきゃ、それを自由に使うなんて不可能だからね。

同上39ページ

私もこの姿勢に完全に同意します。最初の何も分からない状態のときはある程度教材を使った学習が必要となりますが、これらの知識を使えるものとして定着させるには実践に次ぐ実践をするしかありません。「基礎をガーッとやってから日常的にその言語を使いまくる」というのは最近の私が外国語学習の際にとる常套手段です。

実践の方法として、以下で紹介する済東さんがルーマニア語で行っている種々の活動は大いに参考になると思います。

SNSでルーマニア人達とつながる

これは現代の語学学習においてもっとも有効なものの一つと言っても過言ではなく、私もやっているのですが、SNSで学習言語のネイティブとやりとりすることです。

と言っても済東さんは私なぞ比較にならない物凄い規模でこれをやっておりまして、ルーマニア語用のFacebookアカウントを作ってルーマニア人4000人に無差別友達リクエストを送ってFacebook内にルーマニア語圏を構築するという大技を繰り出しています。Facebookの場合、私は実際に知り合った外国人数十人とちょびちょび繋がるだけなので規模としては文字通り桁が違います。他のSNSでもここまで大規模なことはやったことがありません。(というより、私の場合飽きたら学習言語がコロコロ変わるので一つの言語でそこまで大規模化できないという理由もありますが。)

もちろん投稿はルーマニア語で行い、リプライやメッセージも可能な限りルーマニア語でやり取り、それがまだ難しい場合は英語でやり取りすることになります。

千葉ルー本文で言及されていますが、友達リクエストがスルーされたり拒否されたりするのはあるあるなので気にしないことが必要です。リクエストを是非受理してほしい人がいる場合は、その人に丁寧なメッセージを送ればOKです。

あと、これは私の経験から言えるのですが、Twitterなどの他のSNSでもメッセンジャーでも、メッセージやリプライがガン無視されたりスルーされたりなんてのは日常茶飯事なのでそういうことはいちいち気にしないことが肝要です。ネットを見ていると「返事が返ってこねぇ!」と悲しんだりブチ切れたりしている人が多々いるのですが、ぶっちゃけ今の時世ではオンラインのメッセージなんて毎日山のように来ることが多々あり、そんな場合はいちいち全部に返事なんてしていられません。

返事をもらうコツとしては、ただの挨拶とか定型文とか(hiとかhow are youとかその類)そういうのは避けること(似たようなメッセージは大量に届くのでまとめてスルー案件になります)、誰に送っても違和感がないようなコピペみたいな内容を避けること、読む気力がなくなりそうな異常に長いメッセージを送らないことなどがあります。個人的に一番いいと思っているのは、相手のプロフィールやタイムラインをある程度読み込んで、その中から気になった話題を拾ってそれを基にしたメッセージを送ることです。プロフィールに書いてあることをメッセージでいちいち聞き直したりするとそれだけでイライラ案件になってスルーされてしまう可能性が上がるので気を付けましょう。

こうしてルーマニア人とのネットワークを急拡大させた結果、済東さんのタイムラインはルーマニア語一色となり、そこから知らない表現や単語をメモして調べていくことで実際に使われている生きたルーマニア語を学ぶことができるようになり、必要に応じて「これはどういう意味ですか」と質問を投稿するとリプライで教えてもらうこともできるという実に画期的な学習空間となりました。

私のSNSはそこまで規模が大きくない故、何か質問があってもHiNativeなどで質問していました。しかし、これだけ大規模にすると語学学習アプリでなくても似たようなことが出来てしまうという点は私にとって実にエキサイティンな気付きでした。(友達が少ないSNSでこれをやると少数の友人が何回も質問に答えてくれることになりがちで、彼らの負担を考えると私は少し躊躇してしまいます)。

ちなみに、Facebookではフォロー機能もあったりするので実は友達を増やさずともタイムラインを特定の言語で溢れさせることは難しいことではありません。私のタイムラインにはベトナム語のサッカー情報が山のように流れてきます😂

映像作品でルーマニア語学習

前述の通り、映画狂を自称している済東さんはNetflixで映画を大量に視聴しています。ルーマニア語学習のためにはもちろん大量のルーマニア映画を見るのが一番・・・と思いますが、千葉ルー曰くNetflixではルーマニア映画が4本しか配信されていないそうです。私が数年前にNetflixを見ていた時はベトナム映画は1つしか配信されてなかったのでそれよりはマシな気もしますが、済東さんのすごいところはルーマニア映画でない作品もルーマニア語教材に変えてしまったところです。

この方法というのはそんなに難しいものではなく、言語設定をルーマニア語にすればルーマニア映画以外の作品もルーマニア語字幕で見ることができるというものです(ルーマニア語字幕がない作品もありますが)。

よくよく考えるとこれは画期的で、特に日本語作品をルーマニア語字幕で見れば「日本語→ルーマニア語」の言葉のペアを大量に摂取することが可能です(もちろん実際の台詞と字幕の間にはある程度の乖離がありますが)。私は「ベトナム語をやるならベトナム語の作品じゃないと」とずっと思いこんでいて、1つしかないベトナム語作品をもう何周見たか分からないレベルですが、言われてみれば他の言語の作品をベトナム語字幕で見るというのもなるほどいいアイデアだと思いました。

既出ですが、関連記事は↓

オンラインの対訳記事を使ってルーマニア語学習

SNSや映像作品と並んで、オンライン記事を読むのもいい方法です。済東さんは世界的悪徳マガジン(!)VICEの英語記事とそのルーマニア語翻訳記事を印刷して読み比べ、文法や語彙を学んでいたとのこと。なお、この対訳を読み比べて迅速に理解を深めていく方法はシュリーマンも採用していました。

ただ、私はこの対訳を読むという方法を過去に何度も試したものの、どうしてもすぐに飽きてしまって結局有効利用はできませんでした。どちらかというと訳文が存在しないガチガチの原文を辞書片手にゴリ押しで読んでいくという方法を好んでいたりします。どうも訳文で意味を知ってしまうともうそれ以上追及する気が起きなくなるようで、自力で解読する以外内容を理解する術がないという環境じゃないとやる気が出ない模様です。

が、ぶっちゃけ対訳を使えるのなら対訳を使った方が明らかに効率はいいと思います。自分の気性が恨めしい。

話をVICEに戻すと、このマガジンの記事は下ネタばかりであり、放送禁止用語みたいなスラングをたくさん学ぶのに最適なようです。この手の語彙は自分で使う機会は大してないでしょうが、ネイティブから使われた時に喧嘩を売られていることに気づけたり、「こういう挨拶がある」とか言いながら使用を推奨されたりした時に騙されなくなるなどの効用があるので(千葉ルー本文にもそんな例が示されています)、個人的には積極的に学んでおくべきと思います。

なお、後にそのViceルーマニアに済東さんのルーマニア語エッセイが掲載された模様です。私としては畏敬の念が成層圏を突破しそうです。

ちなみに、私にとっての済東さんのVICEルーマニアに相当するものを選ぶとしたら、ほぼ確実にVNExpressというベトナム語のニュースサイトになると思います。極普通のニュースサイトで下ネタは載っていませんが、私が読むベトナム語の記事は9割くらいこのサイトのものです。英語版もありますが私はほとんど見ておらず、対訳とかは特に気にせず辞書片手に手当たり次第に突撃をかましております。おかげでサッカーとパンデミックと軍事進攻に関する語彙だけやたら増えた気がします。しかし、記事内容が多岐に渡るおかげでいつまで経っても知らない単語がなくなりません( ;∀;)

自分の書いた日本語の文章をルーマニア語訳

済東さんはルーマニア語学習を始める前から日記や映画批評、小説を書いていて、ルーマニア語がある程度できるようになった時点でそれらの文章をルーマニア語訳するようになったそうです。添削の有無については本文中にほとんど言及がないので分かりませんが、自分の興味あることについて作文を書く、というのはシュリーマンも取っていた手法です。

済東さんの学習法のデメリット

上述した済東さんの学習法には、本人も著書の中で触れていますが、欠点が一つあります。

それは「書く機会は山ほどあるけど話す機会はほとんどないのでルーマニア語での会話はほぼできない」ということです。これは私も大変こころあたりがあって、というか私は千葉ルーを読んだことで「自分が引きこもりに該当する人間である」ということを初めて認識した次第でありまして🤣・・・ 毎日健康のために家から出て散歩や買い物をしているのですが、厚労省の基準によるとどうもそれだけでは引きこもりの範疇から出られないようです。私なんて仕事は全部自宅からネットでやってて友達は全員海の向こうの外国人しかいないみたいな生き物なので、どう見ても引きこもりです、本当にありがとうございました。昨日は友人のイタリア人から京都観光をしている自撮り写真が送られてきたよ😂

で、私も引きこもってネットで外国語を使いまくってるので済東さんのルーマニア語とまさに同じ問題を抱えております。即ち、「話す機会がねぇ」ということです。音声通話ってやろうと思えばできるんですけど、そもそもやる必要性がないことが多く、読み書きリスニングだけで目的が達せられることがほとんどなんすよねぇ・・・(白目)

で、いざ会話が必要な場面になったらとりあえず英語で話してなんとかなるということで、引きこもりが第二言語で会話をする機会というのは相当に意識しないと作ることができません。残念。私はベトナムに住んでいた期間が少しありましたが、ベトナム語は発音が異常に難しくて話しても全く通じなかったので会話はほぼずっと英語しか使わないという体たらくでした。悲しみ。

とはいえ、「何人が相手であれ、とりあえず英語が多少なりとも話せればなんとかなる(ことが多い)」という現実がありまして、今後とも英語の重要性は落ちないと思われます。

ちなみに、千葉ルー本文を読む限りでは済東さんは会話をそこまで重要視していないことが伺えますが、私もスタンスとしては似たようなもので、目的を達するのに特に必要なければできなくてもなんとかなると思っていたりします。

あと、私がめちゃくちゃ親近感を感じたのは↓の部分です。

俺の場合、外国語ではもちろん日本語ですらこの会話が苦手で、耳での情報処理が遅いのか、会話に全然ついていけない。二人ならまだしも、三人以上だともうお手上げ。

同上 21ページ

何故私の自己紹介が書いてあるのかと本気で錯覚するところでした😂

日本語でも出来ないんだから外国語で出来なくてもヨシ!ということで(良くない)。

話はかなり脱線しますが、(日本の環境が嫌で)海外就職しようとする人とか海外移住をしようとする人に「それは逃げだ、日本(母国)でも出来ないことが外国でできるわけがない」とか言う人がよくいるじゃないですか。ああいうの真に受けるのは本当に人生のムダなのでやめた方がいいです。私は日本では友達全然できませんが、海外ではフツーにできますからね。価値観や環境の違いというのは大きいです。↑の台詞なんて極端な例を挙げれば「将棋でも出来ないことがトランプでできるわけがない」とか言ってるのと同じレベルで意味不明ですからね😂 

この記事で紹介している済東さんも(難病でルーマニアに行くことは物理的に不可能という状態にありながら)ルーマニア語圏で作家になったわけですから、自分に合った環境で活動するというのは重要です。千葉ルーを読む限りでは、済東さんはルーマニアの「作家が職業として成立しておらず、それ故小説が資本主義の論理とは無縁である」という環境を好意的に捉えており、これはまさに「日本で出来ないけど外国では出来る」ことの好例と言えるでしょう。

まとめ

最後の方に盛大な脱線が入りましたが、私の実体験も交えつつ、「千葉からほとんど出ない引きこもりの俺が、一度も海外に行ったことがないままルーマニア語の小説家になった話」の著者、済東 鉄腸さんの語学学習法を見てきました。

最後に、彼の学習法からある程度何語でも使えそうなエッセンスをまとめてこの記事を終わりにしたいと思います。

SNSで外国人(学習言語のネイティブ)とやりとりする
Netfilxで学習言語の字幕を使って学ぶ
自分が書いたものや言いたいことを学習言語で書く
欧州言語を学ぶ際は間に英語を挟むと効果的な場合が多い

一言でまとめると、必要に応じて主体的に言語の実践をしていくのが吉ということです。

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