去年(2022年)から何となく大学入学共通テストの外国語(と世界史B)を全て解いているのですが、2022年版と2023年版の2つを受けて「TOEICなんて使わなくても英語の基礎能力の確認はこれだけで十分では?」と思いましたので、今回の記事ではその話をします。
なお、私のTOEICに対するスタンスは↓の記事に書きました。
要するに、TOEIC(L&R)は単なる力試しに過ぎないということです。で、同じLRの力試しをするなら共通テストで代用しても十分目的は果たせるのではないか、と思った次第です。
共通テストのメリット
まず、共通テストの良いところを挙げます。いっぱいあります。
無料で受けられる
そもそもですが、別に実際に受験する必要はありません。高校生たちが受験した後(1月中旬)に問題も回答もリスニング音源もネットで公開されますので、あとはそれをダウンロードして印刷すれば自宅で受けられます。交通費も証明写真も要りません。
いつでも受けられる
これまた自宅でやるだけなので、いつでも時間計って解くことができます。1年に1回しかないので、忙しい人でもどこかで120分くらいは作れるでしょう。また、途中でトイレに行きたくなったりしてもタイマーを止めて用を済ましてからまた再開すれば突然の体調不良の影響なども防ぐことができます。実際の試験ではトイレに行くのは命取りですが、そもそも体調不良と英語能力に何の関係もないですからね。
質がある程度安定している
色々と問題の多い日本の英語教育ですが、とりあえず受験生の大半が受ける試験故、このテストの質はある程度確保されているものと思われます。最近の問題は私が受験したころと比べてずいぶん実践的になったなぁと思う一方、「ワイが高校生の時にこんなんやらされたら時間内に半分も終わらず氏んでたな(白目)」と思うレベルでもあります。最初から最後まで全文長文読解ですからね。最近の若者すごい。
答え合わせができる
公的試験という性格上、解答がきっちり示され、点数もはっきり確定できます。TOEICは問題を持って帰ることすら出来ません。私は2020年の6月に公式が実施したTOEICのオンライン模試を受けたのですが、あの模試は答え合わせは自分で出来ても点数は確定できないというなんだか気分が良くない仕様になっていました。私の成績は「795点から840点の間」とか言われてなんだそりゃってなったのを今でも思い出します。まぁこの場合は最低800くらいと考えていいでしょう。
難易度はTOEICも共通テストも大差なし
TOEICの必要語彙数はよく分かりませんが、英検準一級や一級と比べると全然大したことはない感じでした。ある記事によると、大体4000語くらい知っていればいい様です。で、共通テストの必要語彙数は色々ググってみた感じ5000語前後知っていればいい様です。
出題される文章の種類が多少異なりますが、どちらも一般的な英語表現しか出てこないので、英語の基礎能力を計る分には何も問題ないと思われます。TOEICはビジネス英語だ、共通テストや英検はアカデミックだ、とか色々言われてますが、基礎レベルにおいてはさしたる違いはありません。英語は英語です。
一応2020年のTOEIC模試の問題を見直してみましたが、目玉が飛び出るような難易度の単語は特に出ていませんでした。中身が大差ないなら一年に一回、力試しで共通テストを受けてみるだけで充分かと思います。プリンターのインク代と紙代を除けばタダですし。
どうしても試験を受けたい場合は、共通テストで満点近く取れるようになってから英検一級とかTOEFL, IELTSとかを受ければムダが少ないかと思います。
共通テストのデメリット
正式な資格や成績証明としては使えない
これはまぁ仕方がありません。証明が必要な場合はTOEICなり英検なりを受ける必要があります。
まとめ
英語の実力なんてのはシュリーマンみたいな激烈な学習法を採用していない限り一カ月や二カ月でそうそう伸びるものではないので(仮に伸びたとしても、短期詰め込みで覚えたものというのは瞬く間に忘れます)、基礎学習をやっている段階では一年に一回共通テストを解いてみるだけで試験は十分だと思います。テストのための勉強ではなく、自分で英語を使った何某かの活動をしていく中で覚えていく方が最終的には身に付きます。
参考になりそうな記事をいくつか挙げてこの記事を終わりにしたいと思います。