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音声に置いていかれないためのリスニングのコツ

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外国語のリスニングでお困りですか?私も困っていました。今も困っています。そんな私ですが、外国語のリスニングに関して一つだけ自信がある点もあります。それは、

標準スピードでどんな外国語を聞いても置いて行かれることがない

という点です。誤解しないでいただきたいのは、

・どんな発音でも聞き取れるというわけではない
・音が聞き取れても意味が必ずしもとれるというわけでもない

という事です。なんじゃそりゃ、全然リスニングできてないじゃんと思われるのも当然なのですが、もう一度強調しておくと、私は

標準スピードでどんな外国語を聞いても置いて行かれることがない

のです。要するに、「この単語はどういう意味だっけ?」とか思ってたらその後の文章聞いてなくて気付いたら音声が遙か先まで進んでいた・・・という事が発生しないということです。はっきり言って意味までとれないと実際の会話にはほぼ役に立たないんですが、せっかくなのでこのプロセスを分析してみようと思います。

標準スピードでどんな外国語を聞いても置いて行かれることがない (キリッ)」とか言いましたが、多言語やってる人で同じような状態になってる人はいくらでもいるものと思われます。

なお、参考までに私のリスニング力を客観的指標で示しておきますと、数年前に受けた英検1級の大問2の長文リスニングで満点とった事が1回だけあり、TOEICのリスニングは400点でした。高いとも低いとも言えない微妙なラインです。これらの点を踏まえてこの記事の信憑性は各自でご判断ください。

さて、ここでは一瞬で行われるリスニング作業をいくつかの段階に分解して考えてみます。

  1. 音を聞き取れたか判断する
  2. 聞き取れた場合、その単語熟語または文を知っているか判断する
  3. 知っていた場合、それを瞬時に理解出来るか判断する
  4. 出来る場合は意味をとる
  5. 1.に戻る

おそらくですが私がやっている事を詳解するとこんな感じになります。1~3の各段階で「できない」と判定した瞬間、その部分は諦めて次のリスニングに戻ります。

それぞれの段階を詳しく見ていきましょう。

1. 音を聞き取れたか判断する

まず、聞こえてくる音を聞き取れたかどうか?最初に判断するのはこれになります。聞き取れなかったら単語も意味も理解出来るわけがないのでさっさと諦めることになります。聞き取れたら次の段階に進みます。聞き取れてないのについ次の段階に進んでしまうのがリスニング中に置いていかれる主な原因かと思います。

2. 聞き取れた場合、その単語熟語または文を知っているか判断する

2つ目の段階です。聞き取れた場合、その単語や文の意味をとる前に「まずそれを知っているか否か」を判断します。知らない場合はやはり飛ばしてリスニングに戻ります。

3. 知っていた場合、それを瞬時に理解出来るか判断する

単語や熟語を知っていた場合でも、少し悩まないと意味が思い出せない等の場合はやはりこれも飛ばします。知っている手前どうしても思い出そうとしてしまうのですが、ここで時間を食うと瞬く間に音声が先に進んでしまうため、一瞬で思い出せない表現というのはリスニング中は知らないも同然と考えるとよろしいかと思います。

4. 出来る場合は意味をとる

正確には、 瞬時に理解出来る場合は意識的に意味をとろうとしなくても3の段階で意味を取れているはずですので、そこで聞き取った文章の理解が完結します。

5. 段階1に戻る

意味をとったら当然ですが直ちに次の部分のリスニングに戻ります。計ったことも計る手段もないので分かりませんが、多分この1~5までの手順を1秒以内かつできるだけ速く回すことでリスニング力は上がると思います。

実際にはどうなるのか

さて、具体的な手順(推測だけど)を踏んだところで、これらの手順を踏むとどんな感じでリスニングが進行するのか考えてみたいと思います。例えば、CNNニュースから引用したこんな文が流れてきたとします。

Foot on pedal, 10-year-old Murtaja Qureiris is about to lead the group of around 30 children.

https://edition.cnn.com/interactive/2019/06/middleeast/saudi-teen-death-penalty-intl/

この文がネイティブスピードで聞こえてきた場合、おそらく私の場合は

  1. 出だしの "Foot on pedal"は聞き取れず1の段階で終了
  2. "10-year-old" は理解して全段階終了
  3. "Murtaja Qureiris"は多分聞き取れないか、聞き取れても意味が分からず段階2で終了。何となく人を表す名詞だろうくらいの理解で次へ。
  4. "is about to lead"は聞き取れると判断するも段階3で意味が瞬時に取れないと判断するか、readとleadのどちらかを正解と信じ込んで理解して段階5まで達するかのいずれか。
  5. "the group of around 30 children."は聞き取って意味まで取れる

という流れにおそらくなり、一番上手くいった場合は

????????, 10-year-old 人を表す名詞 is about to lead the group of around 30 children.

という聞き取り結果になります。出だし部分や人名、readやleadの区別など、悩んで一瞬止まりそうなところをいかに止まらずにいけるかどうかというのが肝になります。

置いていかれずに聞ける=理解出来る?

これで流れる音声に置き去りにされることはなくなるわけですが、じゃぁ音声についていけるからといって必ず理解出来るのかと言われると答えはNoと言わざるを得ません。理由は

  1. 音が分からないところはカットしているのでもちろん分からない
  2. 音が分かってもその単語や表現を知らないと意味は分からない
  3. 音が聞き取れてその単語や表現を知っていても、意味を思い出す時間がなくて飛ばす箇所がある

からです。逆に考えると、これらの問題を解決してやればリスニングが完全になるということでもあります。

結局リスニング力をあげるにはどうしたらいいのか?

まず、上記の聞いても理解出来ない理由1を解消するには対象言語の発音を理解し、聞き取れるようにしておくとが肝要です。 学習言語の難しい発音などを意識的に練習して慣れておく必要があります。

次に、 聞いても理解出来ない理由2を解消するには単語や熟語、慣用表現などの知識を増やしておく必要があります。また、音を聞いてその知識にダイレクトにアクセスできなければ意味がないので、語彙力を増強する際には単語のスペルと意味だけでなく発音までしっかり覚えると上達が早くなると思われます。

最後に、単語や表現を発音まで覚えてもまだ障壁は残ります。 聞いても理解出来ない理由3を克服するには「聞きとれて表現も思い出せる、けど意味をとるのにちょっと時間がかかる」という状況を打破する必要があります。これについては「音を聞く→瞬時に意味が思い出せる」状態になるまで色々な表現や文章を繰り返し覚えるしかないものと思われます。

身も蓋もない結論

長々と色々書いてきたのですが、リスニング力を上げる方法は以下のようになります。

  1. 対象言語の発音を覚えろ
  2. 単語とか熟語とか文章とかを発音ごとたくさん覚えろ
  3. 覚えた表現を何も考えずに思い出せるまで繰り返せ

うわぁ!もったいぶって長々と書いてきた割に何のひねりもない当たり前過ぎる結論になってしまった。

私もドイツ語とかそれなりに長くやってきたんですが、発音をないがしろにしてきたせいで大体「聞き取れるけど意味を思い出せないからパス」となってしまい、ドイツ語リスニングは壊滅的であります。ちなみにベトナム語もやっているのですがこちらは基本的な発音をそもそも聞き分けられないため壊滅ってレベルじゃねーぞ!って程度には壊滅してます。

皆さん、発音は重要です。会話やリスニングに重きをおこうという方には、あらゆる学習段階において発音の習得に努めることを強くお勧めいたします。

ではでは、ごきげんよう。ハバナイスデー。グッバイ。

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