英語 語学

英語のBe動詞と一般動詞と助動詞の語順をまとめて覚える方法

更新日:

今回は英文法について考えてみます。巷では「中学英語をやり直す本」とかがたくさん書店にならんでいるわけですが、この記事では中学英語のベースとなる英語の語順を超シンプルに覚えられる裏技をご紹介いたします。

この記事を読んで分かる事

Be動詞を使う文(名詞文、形容詞文、進行形、受動態)、一般動詞の現在形と過去形の文、完了形の文、助動詞を使う文の肯定文、否定文、疑問文の形。全て同じ原則に基づいており、知っているだけで序盤の英語学習がかなり楽になると思います。

命令文や条件文、仮定法や複文などは扱っていませんが、基本的な文構造を一気にさらうことができます。

この記事における前提条件

まず、本記事では「Be動詞・一般動詞・助動詞」をすべて括って「動詞」と呼びます。

また、「一般動詞文は助動詞文の一つ」として扱います。厳密に正しいかどうかは知りませんが、「語順をまとめて覚える」場合にはその方が効率が良いのです。詳細は後述します。

なお、この記事ではI'm, haven't, can'tなどの略語は使っておりません。各文の構造をはっきりと見えるようにするためです。I amをI'mに替えたりcan notをcan'tに替えたりしてももちろん大丈夫です。また、訳文はわかりやすさを優先して直訳調にしてあることが多いのでご了承ください。

基本的な動詞の文の種類は3つだけ

さて、まずはこれから扱う文の種類と語順を確認します。たったの3種類しかありません。後で例文を見ながら再確認するので、とりあえずどんな文があるのかだけさらっと押さえておきましょう。

肯定文(普通の文)
語順:主語+動詞.

否定文(肯定文を否定する文)
語順:主語+動詞+not

疑問文(肯定文の内容、またはその一部について質問する文)
語順:(疑問詞)+動詞+主語?(肯定文の主語と動詞を入れ替えるだけ、必要な場合は疑問詞を一番前に足す)

他に命令文などがあるのですが、今回の記事では割愛します。

中1の英文法を覚えている方であれば上のまとめを見て「なんかおかしくね?」と思う点があるかと思います。が、それに関しては後述しますので、まずは一番簡単な助動詞の文から確認していきます。

一番簡単な助動詞文

「助動詞の文が一番簡単?英語の授業では真っ先にBe動詞が出てくる!助動詞はなんだか色々あって超ヤヤコシイではないか!」

と激怒されている皆さん、至極ごもっともなご意見ですが落ち着いてください。今回の記事の目的は助動詞の細かい用法を覚える事ではなく、まずは全てのベースとなる「文章の形」を頭に畳み込んでしまおうという事です。その点において通常の助動詞文はメチャクチャ簡単なのです。その理由は、「助動詞は主語に合わせて形が変化しない」からです。これにつきる。

英語の助動詞はcan, must, shouldなど色々ありますが、今回は例として"can"を使用します。このcanという助動詞の意味は主に「できる、有り得る」などですが、細かい意味や用法の解説はここでは割愛します。例文を見ていきましょう。

You can swim.
あなたは泳げます。

You can not swim.
あなたは泳げません。

Can you swim?
あなたは泳げますか?

この例では、主語がYou、動詞は助動詞でcanです。ちなみにswimは何なのかというと不定詞(助動詞の後に続く動詞の原形で、通常は変化しない)です。調べてないので文法学者が同意してくれるかどうかは分かりませんが、この記事ではとりあえず語順を覚えられればOKということでこの解釈で話を進めます。

そんなわけで、上記の例文を見てみると、

肯定文は主語+動詞(You can~)
否定文は主語+動詞+not(You can not~)
疑問文は動詞+主語?(Can you ~?)

と最初の基本的な文型とぴったり一致することが分かります。canは主語が何であれずっとcanのまま変わりません。助動詞が何であれ、不定詞の形も変わりません。簡単です。もう少し例を見てみましょう

I must buy the book.
私はその本を買わなければなりません。

Must you buy the book?
あなたはその本を買わなければなりませんか?

He must not buy the book.
彼はその本を買ってはいけません。

主語がIでもYouでもHeでも助動詞の形は変わらず、語順も基本の3つのままです。had better等の一部の例外を除き、 助動詞を使った文はこれで作れます。

なお、mustは意味が強いのでそこまで使われない印象があります。また、「買う必要はない」「買わなくてもいい」などには別の動詞を使いますがそれに関しては後述します。

助動詞は主語による形の変化が全くなく、不定詞も一切変化させずに文章に色々な意味を足せるため、個人的には一番最初に覚えた方がいいんじゃないのと思っています。序盤に助動詞5個くらいとその基礎的な意味を覚えるだけで一気に表現できる幅が広がります。一般動詞を一つずつ覚える前に習得しておいて損はありません。

ちなみに、英語だと助動詞の恩恵は限定的ですが、ドイツ語やスペイン語などの動詞の語形変化が激しい言語の場合、通常の動詞変化を覚えなくても使える助動詞はかなり役立ちます。

一般動詞文は助動詞文の一種

さて、英語がある程度わかっている方であれば、上述した否定文や疑問文の形に違和感を持つかと思います。

「ちょっと待てよ、それじゃ"You go"の否定文が"You go not"になったり"You come"の疑問文が"Come you?"になったりしておかしいじゃないか」

最もです。というのも、この記事における考え方では一般動詞文における「動詞」はgoでもcomeでもないからです。一般動詞文はやや例外的規則のついた「助動詞文」として扱います。ここで、一般動詞文の特徴をまとめておきます。

・一般動詞文は助動詞doを使った助動詞文の一種である

・主語が3人称単数現在の場合のみ、doではなくdoesを使う

・肯定文では助動詞doは省略される。主語が3人称単数の場合、省略されたdoesから不定詞に三単現のsが移る。なお、肯定文でdoを省略しなかった場合は強調の意味になる。

これだけ見ても「何言ってんだコイツ(;^ω^)」としか思えませんね。具体例を挙げて確認します。

You (do) go to school.
あなたは学校へ行きます。

You do not go to school.
あなたは学校へ行きません。

Do you go to school?
あなたは学校へ行きますか?

これを見るとやはり規則通りに

肯定文は主語+動詞(You (do)~)
否定文は主語+動詞+not(You do not~)
疑問文は動詞+主語?(Do you ~?)

となっている事が分かります。

中学校で一般動詞の文を習った時「疑問文でいきなり沸いてくるこの「do」ってなんなんだ???と混乱した方も少なくないのではないでしょうか。いきなり「否定文は動詞の前にdo not(don't)をつける」とか言われて「Be動詞ではnotだけやったやん・・・」とか頭が爆発した人もいたかもしれません。本記事の覚え方であれば、完全に規則通りで、肯定文の場合だけdoを略す事だけ覚えておけばokになります。最悪略し忘れても強調の意味に変わるだけなので、焦らずいきましょう。

主語が3人称単数の場合

さて、普通の助動詞文では助動詞の形が一切変わらなかったのですが、この助動詞doは主語が三人称単数(単数名詞、he, she, it等)の場合のみ形が三単現のsがついたdoesに変化します。そして、肯定文でdoが省略された場合はdoの後ろにくっついていた不定詞に三単現のs(doesのesの部分)が移動します。これまた具体例を見て確認しましょう。

He does read the book.→do省略、三単現s移動→He (do) reads a book.
彼はその本を読みます。

He does not read the book.
彼はその本を読みません。

Does he read the book?
彼はその本を読みますか?

このように、肯定文が若干トリッキーにはなりますが、あとは規則通りで簡単です。

過去形の場合はdoとdoesの区別は不要

一般動詞の過去形の文では、時制が現在ではなくなるので三単現のsが消えてなくなります。主語が何であれ助動詞はdidとなり変化しません。ただし、肯定文でdoが省略された際に不定詞が動詞の過去形となります。過去形で不規則な形をとる動詞がそこそこ多いためそこだけ少し厄介ですが、ひとまず例を見てみましょう。

He (did) play tennis.→do省略、不定詞が過去形に→He (do) played tennis.
彼はテニスをしました。

I did not play tennis.
私はテニスをしませんでした。

Did they play tennis?
彼らはテニスをしましたか?

こんな感じでdoとdoesの区別はなくなります。肯定文のために動詞の不規則過去形を覚えることを考えると恩恵が若干薄く感じられなくもないですが。

一般動詞の文の形まとめ

そんなわけで、中一で面食らった一般動詞の否定文も疑問文も助動詞doを使うことにより以下の規則ですっきりまとまります。

肯定文(普通の文)
語順:主語+動詞.

否定文(肯定文を否定する文)
語順:主語+動詞+not

疑問文(肯定文の内容、またはその一部について質問する文)
語順:(疑問詞)+動詞+主語?(肯定文の主語と動詞を入れ替えるだけ、必要な場合は疑問詞を一番前に足す)

この他に、

肯定文では助動詞doが省略されること(三単現のsや過去形の要素は残る)
三人称単数現在形の場合のみdoesを使う事
肯定文では不定詞に三単現のsがつくこと
過去形ではdidを使って肯定文では不定詞が過去形になること

の4つだけだけ覚えておけばOKです。

現在完了形の文の形もほぼ同様

中3あたりで「have+過去分詞」と習ったであろう現在完了形の文の作り方も助動詞doを使った文とほぼ同じです。違いはdo-doesがhave-hasになることと、不定詞が過去分詞になることだけです。haveをdidと同様に過去形hadにすると主語に関係なく形が一定の過去完了形になります。

I have caught the insect.
私はその虫を捕まえました。

He has not caught the insect.
彼はその虫を捕まえていません。

Have you caught the insect?
あなたたちはその虫を捕まえましたか?

I had driven that car.
私はその車を運転した事があった。

We had not driven that car.
私達はその車を運転した事がなかった。

Had she driven that car?
彼女はその車を運転した事がありましたか?

これもまた

肯定文は主語+動詞(I have~, I had~)
否定文は主語+動詞+not(He has not~, We had not~)
疑問文は動詞+主語?(Have you ~?, Had she~?)

となっていて規則通りです。

ちなみに、助動詞mustとセットで紹介される事が多いhave to~(「~する必要がある」、否定すると「~しなくてよい」、「~する必要がない」)という表現がありますが、これは一般動詞の文章(Do you have to~やHe doesn't have to~など)となります。この現在完了形の文章とは異なりますのでそこだけ注意してください。

Be動詞も規則通り

Be動詞の文章も規則通りですが、通常の教科書では真っ先に出てくるこの動詞を私が一番最後に紹介することにしたのは単純に他と比べて変化が多いからです。おそらくほとんどの方が既にご存じだとは思いますが、その変化を一覧にして紹介しておきます。

なお、三人称単数にはHeを使っていますが、SheでもItでもその他の名詞でも同じです。また、Be動詞の過去形は仮定法で若干異なる場合がありますが、今回それには触れません。

現在形と過去形

I am~, I was~
私は~

You are~, You were~
あなたは~

He is~, He was~
彼は~

We are~, We were~
私達は~

You are~, You were~
あなた達は~

They are~, They were~
彼らは~

助動詞や一般動詞と比べて若干ややこしいですが、複数形は全部areとwereなので単数形の3種類を覚えてしまえば(Youは複数形と同じなので実際は1人称と3人称だけ)OKです。

さて、このBe動詞も形がややこしく変わるだけで文章構造は基本の3パターンと変わりません。

肯定文は主語+動詞(I am~, You are~, He is~など)
否定文は主語+動詞+not(He is not~, We are not~など)
疑問文は動詞+主語?(Are you ~?, Is she~?など)

過去形でも全く同じです。

ちなみに、このBe動詞を使った文では、Be動詞の後に繋げる要素によっていくつかの異なる内容を示す事が出来ます。

be+名詞→名詞文
例:I am a student.(私は学生です。)

be+形容詞→形容詞文
例:She is beautiful.(彼女は美しい。)

be+現在分詞→進行形
例:They are playing tennis.(彼らはテニスをしている)

be+過去分詞→受動態
He was fired.(彼は解雇された。)

このように様々な文を作る事が出来ますが、肯定文、否定文、疑問文の作り方は全て同じです。

肯定文は主語+動詞(I am~, You are~, He is~など)
"I'm an office worker." 、"He was a high school student."など。
「私はオフィスワーカーです。」、「彼は高校生でした。」など。

否定文は主語+動詞+not(He is not~, We are not~など)
"We are not playing the piano.", "He was not seen."など
「私達はピアノを弾いていません」、「彼は目撃されませんでした。」など。

疑問文は動詞+主語?(Are you ~?, Is she~?など)
"Are you busy?"、"Are they going to that store?"
「あなたは忙しいですか?」、「彼らはその店に行くところですか?」など。

疑問詞を使った疑問文と疑問文への回答方法

さて、ここまで疑問詞(何、どこ、いつ等)を使った疑問文と、疑問文への回答方法を完全にスルーしてきたのでここでまとめておきます。と言っても、全て上述の疑問文の作り方と肯定文と否定文の形を使ったものなので、復習のつもりで各文を確認し、肯定文、否定文、疑問文の文構造が全ての文で共通していることを改めて確認してください。なお、英文中の()内は省略可能です。

What are you doing?(疑問詞疑問文:疑問詞+動詞+主語~?)-何をしているの?
I am watching TV.(肯定文:主語+動詞)-テレビを見ているよ。

Was he arrested?(疑問文:動詞+主語~?)-彼は逮捕されたの?
Yes, he was (arrested).(肯定文:主語+動詞)-うん、されたよ。
No, he was not (arrested).(否定文:主語+動詞+not~)-いや、されなかったよ。

Where does he live?(疑問詞疑問文:疑問詞+動詞+主語~?)-彼はどこに住んでいるの?
He lives in Odawara.(肯定文:主語+動詞~(do省略))-彼は小田原に住んでる。

Can you play the piano?(疑問文:動詞+主語~?)-ピアノが弾けますか?
Yes, I can (play the piano).(肯定文:主語+動詞~)-はい、弾けます。
No, I can not (play the piano).(否定文:主語+動詞+not~)いいえ、弾けません。

上記のように、疑問文への答えは「Yes, 肯定文」か「No, 否定文」で構成されます。疑問詞を使った疑問文を作るには、通常の疑問文の前に知りたい要素(何、どこ、いつ、なぜ、など)を表す疑問詞を入れればOKで何も難しくありません。

まとめ

肯定文は主語+動詞(例:You can~)
否定文は主語+動詞+not(例:You can not~)
疑問文は動詞+主語?(例:Can you ~?)

この記事中で何度書いたか覚えておりませんが、とにかくこの3パターンが鉄板です。基本的な構文は全てこれで説明がつきますので、まずはここを押さえてください。その後、一般動詞のdo省略などの例外的規則を覚えたらあら不思議、現在完了でも過去進行形でも受動態でも文構造で迷う事はほぼなくなると思います。

参考文献とか何も使わないで書いた記事なので、厳密には正しくない記述等も若干あるかもしれませんが、英語の基本的な文構造を同じパターンでズバッと貫けるようにまとめたつもりです。英語初心者の方が最初に知っておくとかなり楽だと思います、っていうか私が最初から知りたかった😂

-英語, 語学
-, ,

Copyright© ホー太郎の語学ブログ , 2023 All Rights Reserved Powered by STINGER.